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トップ側の打点を使ったフルスイングの強打が決まる『Gravity』!

2021.06.02|17:00|投稿者: 吉田正広
トップ側の打点を使ったフルスイングの強打が決まる『Gravity』!

今、ツアーを賑わせている若手のヘッド(HEAD)契約プレーヤーたちは、もちろん『Prestige(プレステージ)』『Radical(ラジカル)』『Extreme(エクストリーム)』『Speed(スピード)』などを使って、ジュニア時代を過ごし、活躍してきました。例えば、女子№1のアシュリー・バーティは2011年、15歳の時にウインブルドンジュニアを『Speed』で制しています。ラケットをフルスイングして、ハードヒットに一層有利な高くて遠い打点を使って打つのが当たり前のプレースタイルを経験してきた世代。ただしそこには、ちょっとした「ずれ」があったのです。プレーヤーはフェイスのトップ側で打つけれど、ラケットのスイートエリアは、ど真ん中のまま。『Gravity(グラビティ)』は、このギャップを埋めました。注目を集める次世代対応型の最新シリーズを紹介します!

現代テニスに必要とされて生み落とされた時代の寵児

ヘッドとしては最も新しいシリーズです。デビューは2019年。その前のラストリリースは『Speed』までさかのぼるため、実に約10年ぶりとなる新機軸が、今回取り上げる『Gravity』です。

とはいえ、『Speed』は今なお「世界1位」なのだから、新シリーズなど必要ないのでは? そんなふうに思うかもしれません。しかし『Gravity』は、現代テニスに必要とされて生み落とされた時代の寵児。その背景を振り返ります。

若いプレーヤーたちがトップを目指すためのラケット

ネクストジェネレーションのプレーヤーたちは、手足が長い。それだけで、テニス選手として条件的に有利です。しかもその進化したフィジカルを、世界基準の育成プログラムにのっとり、ブラッシュアップしています。

そしてそれ以上に、昔はビッグサーバー、ベースライナー、ネットプレーヤーなどの区別がありましたが、今の世界的な潮流に乗って彼らはオールラウンダーとして成り上がり、ベテラン勢をおびやかすのです。

つまりサービスは速いし、ストロークは強烈で、ボレーもそつなくこなします。荒削りなところも残るけれど、基本的には攻撃の手を一切緩めません。

ディフェンス一辺倒では勝ち上がれず、総合力戦を強いられるのが、今のツアー。そんな若いプレーヤーたちがトップを目指すうえで、道具側からどのような働きかけができるかを分析したのが、『Gravity』シリーズの出発点でした。

新しい「スイートゾーン」が出現。強打をスピンでねじ込む!

台頭してきた若いプレーヤーたちのテニスといえば、ポジションを上げてベースライン内側からフルスイングします。そのぶん、ボールを飛ばせるコートの長さが短くなるため、スピンをかけてショットをねじ込みます。こういうプレースタイルだと、ボールをフェイスの真ん中よりも、上側で捉える機会が必然的に多くなります。

繰り返しになりますが、従来型のラケットは、最大反発力と深いホールド性が得られるスイートエリアが、フェイスの真ん中のまま。これを進化した現代的なプレースタイルに合わせて、フェイスを楕円型ではなくティアドロップ型にし、トップ側にもスイートエリアを拡大したのが『Gravity』。ヘッドはこの新しい有効打球域を「スイートゾーン」と呼んで、従来機との差別化を明確にします。

スイートゾーン

ティアドロップ型フェイス形状の採用により、トップ側にも有効打球域を拡大。高くて遠い打点を使って強打できる「スイートゾーン」が出現した

プレーヤー側とラケット側のマキシマムパワーポイントが一致

今までもヤングジェネレーションたちは、トップ側で打っていたけれど、そこはラケット側のマキシマムパワーポイントではありませんでした。率直にいえば、ラケット側としては、パワーロスする打ち方をしていたのです。

フレームを厚くすれば、パワーレベルは上げられるけれど、球離れが速くなりすぎるからホールド性が浅くなったり、スイング時に受ける空気抵抗が大きくなるぶん振り抜きが悪くなったりします。

『Gravity』では薄型フレームのまま、プレーヤー側とラケット側によるマキシマムパワーポイントの一致が、ついに図られました。その結果、ショットの破壊力に限っていえば、BIG3をしのぐバコラーぶりさえ見せつけるのです。

アレクサンダー・ズベレフ

長い手足を生かして、遠い打点を使いフルスイングするアレクサンダー・ズベレフ

「フレックス・グルーブ」がストリングの可動域を拡大。ソフトフィーリングも実現!

『Gravity』は一見するだけだと、シンプルなボックス形状に映るかもしれません。しかし細部に目を凝らすと、緻密な複雑形状を見出せます。

たとえばフェイスの2・10時部分は、角を削ったラウンド形状。一方5・7時部分には、フェイス下部へ向かうに従いグロメットを装着する溝が深まる「フレックス・グルーブ」を採用し、高剛性は維持したまま、ストリングの可動域を拡大しました。また弾き感は強いのに、ソフトフィーリングも実現します。

パワーラケットだけど、単純に厚くしたり、大きくしたりするのではなく、むしろほかのシリーズ以上にきめ細かく作り込まれたのが『Gravity』なのです。

フレックス・グルーブ

グロメット直下に「フレックス・グルーブ」を配置。細くて深い溝がストリングの可動域を拡大し、ソフトフィーリングを生成する

表と裏でカラーが入れ替わるリバーシブルデザインを採用

『Gravity』を語るうえで、コスメについて触れないわけにはいきません。ラケットの表と裏でカラーが違うリバーシブルデザインを採用。デザイナーが何パターンかの試作を用意したなかで、冒険的に彩ったのがこのデザインでした。それを『Gravity』のイメージキャラクターであるズベレフが一目見て気に入り、正式に採用されたといいます。

そのズベレフの活躍ぶりは、ご承知のとおり。マスターズ1000ですでに3勝。次代の№1に最も近い急先鋒のプレーヤーとして、ツアーを下から突き上げにかかります。シリーズのラインナップを紹介します!

ラケットの表と裏でカラーが違うリバーシブルデザイン

デザイナーの遊び心にズベレフが反応。ラケットの表と裏でカラーが違うリバーシブルデザインが採用された

ツアーシリーズのキーテクノロジー「グラフィン360+」

現在のヘッドのツアーシリーズが大きな進化を遂げたキーテクノロジーが、「極バランス(カウンターバランス)」理論です。従来のラケットでは、負担が大きくなるシャフトを補強するためにカーボンを増量する必要に迫られ、重くせざるを得ませんでした。

しかし鋼鉄の200倍の強度を持つ軽量「グラフィン」が、この問題を解消。軽さを維持したままシャフトを補強できたそのぶん、全体の重量をラケットヘッドとグリップの両極へ振り分けることに成功したのです。

これにより、全体としての重さとバランスは一切変えずに、操作性やパワーが向上。また「グラフィン」をフェイス補強にも使用したのが「グラフィン360」テクノロジーであり、さらに面の5時・7時部分によじったスパイラルファイバーを追加したことにより、「グラフィン360+」テクノロジーは完成しました。

グラフィン360+

シャフトとフェイスのトップ&両サイドに「グラフィン」を、そしてショルダーエリア(5時・7時の位置)にはスパイラルファイバーをプラスして、優れたエネルギー伝達とクリーンな打球感を実現

シリーズのなかでも最もハードなプロフェッショナルモデル

シリーズのなかでいちばんのハードスペックです。315グラムのヘビーウェイト、20 ミリ均一の薄い背幅で構成。しかも18×20の細かなストリングパターンが採用されています。

フィジカルレベルの高いプレーヤーが、フェイスのトップ側を使ってガンガン打ち込むプレースタイルに対応。ズベレフが選ぶプロフェッショナルモデルです。

Gravity PRO

コントロール性に優れる上級者向けツアーモデル

『PRO』よりも2ミリ厚いフレームで、少し手心が加えられたツアーモデル。若干のパワーアシストはあるけれど、18×20の密なストリングパターンでコントロール性は維持されます。

『PRO』を振り回せるほどのフィジカルはないけれど、技術レベルは高い水準のプレーヤーが選ぶべき上級者向けの1本です。

Gravity TOUR

スピンがかけやすいシリーズのフラッグシップモデル

全シリーズに用意されている中心モデルの『Gravity』版『MP』。『TOUR』と同じ22ミリ厚を採用しながら、縦糸を2本減らして16×20のストリングパターンが採用されています。

糸のマス目が広がるから、ボールが引っかかりやすくなり、スイングスピードが速くなくてもスピンがかかり、楽に飛ばせます。女子のNo.1バーティ使用モデル。

Gravity MP

軽くても打ち負けず、トップ側の打点が武器になるライトモデル

シリーズのフラッグシップモデル『MP』のモールドを継承しながら、ウェイトを15グラム軽くしたライトモデルです。フィジカルに自信がなくても、軽くて振りやすいから、フェイスのトップ側を使って打つ次世代型プレースタイルに対応。

軽くても「グラフィン360+」テクノロジーにより打ち負ける心配がないのが、このラケットの強みです。

Gravity MP LITE

さらに大きな「スイートゾーン」と厚めの背幅で安心感が際立つ『S』

ほかの『Gravity』機種と違って唯一100平方インチフェイスサイズと、24ミリ均一のフレーム厚で構成。ただし初級者向けというわけではなく、ウェイトは『MP』よりも重く設定されています。

軽さは必要としないけれど、より大きな「スイートゾーン」と厚めのフレームで安心感を得たいプレーヤーのニーズにマッチします。

Gravity S

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吉田正広
2021.06.02 17:00 投稿者:
吉田正広
テニスメディアを中心にギア系の記事を寄稿。書籍、ムック、雑誌、ウェブサイト等の実用コンテンツを手掛ける。メンタル、フィジカル、栄養学、健康医学、リスクマネジメント、仏教等にも親しむ。一般プレーヤーの質問、相談、悩みにも応える。 【編集協力】『泣き笑い! アスリート図鑑』(池田書店)、『在宅避難で役立つ食まわりの知恵から日ごろの備えまで クックパッド防災レシピBOOK』(扶桑社)、『元機動戦術部隊員に学ぶ危機管理トレーニング2』(ベースボール・マガジン社)、『伸びるテープと伸びないテープを使った 最新スポーツテーピング』(マイナビ)、『スポーツのための体幹トレーニング練習メニュー240』(池田書店)、『徹底図解 成果が必ず出る! ビジネス整理術』(日本文芸社)、『バイシクルライディングブック』(ベースボール・マガジン社)、『テニスワンポイントレッスン500』(学研プラス)、『NHK科学大好き土よう塾〈1〉ものごとの不思議とことん解明!』(汐文社)、『1日10分〈クイック→スロー〉で自在に肉体改造 体脂肪が落ちるトレーニング』(高橋書店)

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