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澤柳璃子がセミリタイアから復帰し、世界ツアーに向けて再始動!

2021.05.21|17:00|投稿者: 岡田洋介
澤柳璃子がセミリタイアから復帰し、世界ツアーに向けて再始動!

2018年を境に選手活動はセミリタイア状態になっていた澤柳璃子が、再びツアー復帰を決めた。ジュニアや女子プロ選手を指導し、また『Tennis-Point』のトレーニング動画に出演するなど、コート外での活動の幅を広げてきた澤柳がいま、なぜコートに戻る決意をしたのか。26歳でのツアー再挑戦に期する想いを聞いた。

コーチ目線でプレーを客観的に見られるようになった

きっかけはコロナ禍で中止となった日本リーグだった。2019-2020年シーズンに明治安田生命の主軸選手としてチームを準優勝に導いた澤柳は、昨年6月から次の日本リーグに向けて本格的に練習を開始した。世界ランキングポイントがかかった国際試合には出場せずにコート外での活動の幅を広げていた澤柳にとって、日本リーグは数少ない実戦の場である。そこでしっかり戦えるようにトレーニングを積む中で、澤柳はツアー復帰に向けての手応えを感じ始めたという。

澤柳璃子選手

「以前より広い視野でものごとを見られるようになってきた。これなら、苦しいこともきっと楽しめるんじゃないかな」(澤柳)

――どんな手応えを感じたのですか?

「やればやるだけ自分の体が強くなり、テニスの調子も上がっていきました。自分が進化している、変化している、というのを感じられ、それがすごく楽しいなと思えました。また、コーチ業も始めていましたから、選手目線だけでなくコーチ目線でプレーを客観的に見られる自分がいることに気付きました。このメンタリティーで試合ができたら、どんな感じになるんだろうと思ったのが、復帰を考え始めたきっかけです」

――昨年から米原実令選手のコーチを務めていましたが、コーチ目線で客観的に見られるようになったことで、プレーにどんな影響があるのですか?

「試合では自分が思っていないことが起きたりして、うまくいかないことのほうが多いものですが、以前はうまくいかないとイライラしていました。でも、コーチとして他の選手の試合を見ることで、うまくいかない時はどう対処したらいいんだろう、と考えるようになりました。《今日はこのプレーはうまくできない、このショットは入らない、それなら、こっちのプレーで戦おう》と、考え方が広くなってきたので、この思考で自分がコートに立てたら、以前より楽に、楽しくプレーできるのではないかと思いました」

――結局、日本リーグは昨年12月のファーストステージ開幕直前に中止になってしまいました。そこに向けて練習を積んできた澤柳さんにとっては、かなりショックだったのでは?

「本当は日本リーグに出場して、自分がどんなプレーができるか確かめた上で、選手に復帰するかコーチ業を続けるかを決めようと思っていました。その日本リーグはなくなってしまいましたが、こうやって考えるようになったということは、やっぱり自分はもう一度ツアーに出たいのかな、と。逆に、ここで選手に復帰しない選択をすると、きっと後悔するのではないかと思い、もう一度ツアーで頑張ってみようと決めました」

練習前のミニゲームで試合の駆け引きを遊びながら覚えた

澤柳は17歳で全日本選手権ベスト8に入って一躍注目を集め、18歳でプロに転向。ITF柏大会やITFソウル大会など国際大会で3勝を挙げ、15年には世界ランキング178位(自己最高位)を記録。17年は全豪オープンとUSオープンで予選に出場し、USオープンでは予選2回戦まで勝ち上がった。「ラリーの中での相手との駆け引きが大好き」という澤柳は、最大の武器である両手打ちバックハンドの強打を軸に、フォアハンドのトップスピンやバックハンドのスライス、ドロップショット、ネットプレーなど多彩なテクニックで対戦相手を翻弄する。

澤柳璃子選手

「ラリーの中で相手といろんな駆け引きがある。それをいろんな選手といろんなサーフェスで、いろんな場所でできるのが本当に楽しい」(澤柳)

――澤柳選手はプレー中にいろんなショットを使ってゲームを組み立てていますが、それらのショットはどのように身に付けたのですか?

「スライスやドロップショットなどを練習し始めたのは小学5、6年です。その頃から、世界で通用するプロテニスプレーヤーになりたいと考え始めたのですが、体のサイズを考えると、いろいろなショットを打てるようにならないといけないと当時のコーチに言われたのがきっかけです」

――実際にどんな練習をしたのですか?

「よくやったのは練習前のミニゲームです。サービスボックスの広さのコートで、スライスショットだけを使って相手とポイント勝負をしたり、ボレーだったらボールを1トラップして返すルールで、サービスボックス半面の中で勝負する。そういうポイント勝負をたくさんやることで、角度をつけたり、ネットぎりぎりに落としたり、タッチ感覚が磨かれました。また、こうすれば相手の逆をつける、相手をだませる、という駆け引きもこのミニゲームで遊びながら覚えました。

あとはいろいろなシチュエーションでのポイント練習もよく行いました。たとえば、トップスピンの中ロブをストレートに打ったところからスタートして、相手がバックの高い打点でロブを打ち返したら素早く前に入ってスウィングボレーするとか、ドロップショットを打つところからスタートして、相手の動きで返球を予測して攻めていくとか。

ボレーの練習にしても、最初からネット前で打つのではなく、ベースラインにいる状況からネットに出る動きを練習することで、このボールは前に行ってはいけない、このボールなら前に行ける、ということが分かってきます。短いボールが来たからといってむやみにアプローチを打って出ていくわけではありません。相手を見て、前に出るチャンスがどこにあるのかを考えながら、後ろで粘る。常にそういう意識でプレーすることがネット上達のコツの一つです」

今はワクワクだったり楽しみな気持ちがすごく大きい

セミリタイアについて澤柳は「自分の中では、やり切ったという気持ちが大きくなってツアーを離れた」という。2018年以降、高校テニス部の指導やジュニア選手の強化育成、プロ選手の帯同コーチなどを行ってきた。また、テニス情報アプリ『Tennis-Point』のトレーニング動画に出演して一般プレーヤー向けのレッスンにも挑戦。指導者の立場でテニスに取り組むことによって、プレーヤーとしての視野が大きく広がったという。

――1度ツアーを離れ、また数年経って、選手としてのモチベーションが再び高まってきたと?

「はい、以前の自分は本当に視野が狭かったですから。今みたいに視野を広く持って試合に臨めば、きっとイライラしている自分ばかりじゃなく、苦しいことも楽しめるんじゃないかな、と思います。だから、やってみたいな、という気持ちになりました」

――ツアー復帰後の目標を教えてください

「やるからにはグランドスラム出場が目標です。これまでにグランドスラム予選には出場しましたから、今度はグランドスラムの本戦を目指して、まずは2年間やって、そこでまったく結果が出なかったら区切りをつけようと思っていますけど、ある程度のところまで行けたら、3年後あたりにはグランドスラム予選に出られるようにしたいなと思っています。どうなるか全然分からないですけど、今はワクワクだったり楽しみな気持ちがすごく大きいです」

ツアー復帰を決めた後、周囲の選手仲間からは「また帰ってくると思っていたよ」と声を掛けられたという。数年の回り道によって、選手として一回り成長できた澤柳。あのキラキラとした璃子スマイルが、近いうちにまた見られそうだ。


澤柳璃子選手

澤柳璃子(さわやなぎ・りこ)

1994年生まれ。北海道出身。身長163cm。18歳でプロ転向、2014年ITF柏大会(1万ドル)単優勝、ITF浜松大会(2万5000ドル)単優勝、2015年ITFソウル大会(5万ドル)単優勝。世界ランク自己最高位単178位、複142位。生涯獲得賞金額(単複合計)17万3367ドル。リンクスエステート所属。


澤柳璃子の愛用ラケット

ウイルソン 「ブレード100」

「ブレードというとすごく硬いイメージを持っている人もいるようですが、最新モデルはフレーム自体がやわらかくしなる構造で、一般プレーヤーの方でも楽に使えるラケットになっています。しっかり振って回転をかけられますし、ボレーもしやすい。オールラウンドに使えるラケットです」(澤柳)

ウイルソン 「ブレード100」

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岡田洋介
2021.05.21 17:00 投稿者:
岡田洋介
1968年、群馬県生まれ。出版社でスポーツ誌の編集職を経て独立。 スポーツライターとしてテニスのグランドスラム大会等の取材活動を行うほか、ゴルフ誌やランニング誌等に寄稿する。 2005年にテニスレッスン専門の動画配信サイト『テニスストリームTV(www.tennisstream.tv)』を立ち上げ、 テニス愛好者に役立つ上達情報を配信している。趣味の百名山登山は現在20座制覇! 【編集協力】『配球とコンビネーションで勝つテニスダブルス』(学研プラス)、『白木式コアトレ ベーシックメソッド』(学研プラス)

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