今すぐTennis-Pointアプリをダウンロードしよう!

いつでもどこでもテニスを楽しもう!

column

ラケットを構成するカーボンは“生鮮素材”。だからヨネックスは「JAPANESE QUALITY」を追求する!

2021.05.14|17:00|投稿者: 吉田正広
ラケットを構成するカーボンは“生鮮素材”。だからヨネックスは「JAPANESE QUALITY」を追求する!

ヨネックス株式会社、大型量販店を管轄する大型店営業部門にインタビュー、「MADE IN JAPAN」にこだわる製品づくりのすごみを一挙公開!

お客さまの要望に向き合うイノベーションとは?

ウェブサイトでもうたっていますが、ヨネックスでは「革新のその先へ」をイノベーションのテーマとして掲げています。ブランド紹介『スポーツを通じて世界を1つに。ヨネックス』でもお伝えしましたとおり、現状に満足せず、つねに新しい素材、技術を求め続けています。

ただし、自己満足の技術革新をしているわけではありません。お客さまの要望に向き合うイノベーションを志していて、それを実現するのが、「JAPANESE QUALITY」のラケットづくりだと考えています。

ヨネックス JAPANESE QUALITY

「トッププレーヤーと何ひとつ変わらない品質を、すべてのプレーヤーに」。ヨネックスは「JAPANESE QUALITY」を以って、このスローガンを実現する

「MADE IN JAPAN」にこだわる理由は?

ラケットというのは案外、手作りの工程が多いんですよ。設計から、品質管理、製造に至るまで、ヨネックスでは多くの工程に熟練工が携わります。

素材として用いられるカーボンの硬さや細さを吟味しますが、使い方を誤ると、すぐに製品のクオリティーが損なわれてしまいます。まるで生ものという意味では、カーボンは“生鮮素材”。カーボンというと一般的には、半永久的に品質が変わらない認識があるかもしれませんが、製造過程では「タッキネス」といって、べたつき具合を厳密に管理する必要があるのです。

昨今、アジアの工場で質的な過失がさまざま報じられますが、品質管理は、ものすごく徹底しなければなりません。ここに、私たちが「MADE IN JAPAN」にこだわる大きな理由があります。

カーボン繊維が少しでも、ヨレたり、角度がズレたりするだけで、仕上がりが左右非対称になったり、ラケットとして重要なしなりの性能を損ねたりしてしまう。しかも日々、何1000本分も作ります。その過程でエラーをなくすには手作業にせざるを得ず、グリップもていねいに、1本ずつ手で巻いています。

イメージ

ミリ単位の誤差も生じないように、細心の注意を払いながら、まるで芸術作品のように生み出されるヨネックスのラケット

イメージ

リプレースメントグリップテープを巻き付ける作業も、手作業で丁寧に行われる

「T 型ジョイント」や「アイソメトリック」などはどうやって生み出された?

もちろん素材、技術だけではなく、つねに新しい発想を独創的に見据えています。創業者である米山稔の本によると、「T型ジョイント」は、「水道の蛇口」からイメージしたといいます。

バドミントンは、シャトルが面に当たってシャフトがねじれると、上手くコントロールできません。当時は異物を加えたりすると重くなるなどして、性能を損なってしまうのが常でしたが、フェイスシャフトをつなぐ「T 型ジョイント」は飛躍的な高性能化を実現しました。長らく特許権が守られ、今なお他メーカーによるねじれ解消の追随を許していません。

テニスでは、「アイソメトリック」はご存知のとおり。フェイスに重いボールが当たるテニスでは、縦糸と横糸の長さが違うと、反発性やフィーリングが不安定になります。そこで縦糸と横糸の長さをなるべく均一にすることでスイートエリアが拡大するヨネックスの「四角い顔」が発案されました。

T型ジョイント

1968年に開発された「T型ジョイント」。フレームが細いバドンミトンラケットの面安定性を高めるための、シャフト強化を実現した

イメージ

縦糸と横糸の長さをなるべく均一にする「アイソメトリック」。100平方インチの大きさで、一般的な円形ラケットの107平方インチ相当のスイートエリアを確保できる

オイルを芯まで浸透させる「SIF」テクノロジーとは?

また、ストリングのイノベーションにおいては、「SIF」テクノロジーが品質向上に寄与します。化学素材のシンセティックストリングは劣化を防ぐために、一般的にはオイルがその表面に塗られています。しかしオイルは当然揮発するから、使わなくても劣化が進んでしまいます。

「SIF」 は、ストリングの芯までオイルを浸透させて、品質維持性の向上を叶える世界初のテクノロジーです。どのメーカーもやっていない試みを、テニス以外の分野からも着想を得て、お客さまに満足してもらえる製品を世に送り出せるよう努力しています。

イメージ

「SIF」は、Silicon Oil infused Filamentの略。ストリングの劣化を防ぐとともに、滑り性を高めてスナップバックを先鋭化させる

ヨネックス大型店営業部門が指南するテニスラケット各シリーズラケット選びとは? フレーム形状、機能が大きく異なるラケットが混合されている!?

ラケットの選び方を分類するマトリクスは、いろいろあります。ウェイトなどの詳細なスペックについては、後述する具体的なケーススタディのところで取り上げましょう。

ヨネックスではその前に、ラケットのカテゴリーとしてフレーム断面が、四角いボックス形状と、丸いラウンド形状の2つに大別しています。ボックス形状は角張っているためねじれにくく、安定性が高い反面、空気抵抗を受けやすいので、振り抜くには筋力や技術が必要。

ラウンド形状は、ヨネックスではエアロ形状とも呼んでいて、角がないぶん空気抵抗を受けにくく振り抜きやすいからパワーを出しやすいけれど、トランポリンと同じように、インパクトの衝撃でフェイスが内側にたわみます。つまり、変形することを前提としている点で、安定させるためのボックス形状とは毛色が違います。

市場ではフレーム形状、機能が大きく異なるラケットが混合されて売られている状態。ヨネックスではシリーズごとに、ボックス形状の『VCORE(ブイコア)』と、エアロ形状(ラウンド形状)の『EZONE(イーゾーン)』を明確に分けてそれぞれご用意しています。

フェイスが2平方インチの差のラインナップがあるのはなぜ?

バドミントンでは「T 型ジョイント」、テニスではブランド紹介で取り上げた「O.P.S.」を開発した経緯からもわかるように、ヨネックスは、シャフトに強いこだわりを持っています。

各シリーズには、フェイスサイズが98平方インチと100平方インチのラインナップがありますが、ラケット面の大きさを重ねて比較してみた場合、ほとんど差がありません。では、何が大きく変わるのかというと、実は2つのラケットをヨークの部分で合わせてみると、シャフトの長さがずいぶん違うことがわかります。

全長が同じ27インチのラケットの場合、フェイスが小さければシャフトは長くなり、フェイスが大きければシャフトは短くなる相関です。つまりフェイスが小さいラケットは、シャフトが長いので、大きくスイングするプレーヤー向き。逆にフェイスが大きいラケットは、シャフトが短いので、コンパクトにスイングするプレーヤー向きと判断できます。

つまり傾向として、フェイスが小さくてシャフトの長いラケットは、振り回すスタイルのストローカー向きであり、フェイスが大きくてシャフトの短いラケットは、合わせる打ち方のボレーヤーや、ショートスイングになる年配者向けとも言い換えられます。

まとめるとフレームの断面形状により、安定性を極める『VCORE』と、パワーを生み出す『EZONE』に大別され、そのうえで、フェイスの大きさを参考にし、自身のスイングサイズとマッチングを図るのがラケット選びのコツ。では次に、具体的なケーススタディについてご提案してみます。

ステップアップモデルとして何を選べばいいか迷っているジュニアプレーヤー

『VCORE』シリーズには、大人用よりも短い26インチや、それ以下のモデルも用意されています。ジュニアであれば、それらを選ぶとよいでしょう。

もちろん、普段指導されているコーチの考え方もあるでしょうけれども、ステップアップモデルを求める場合、小さいうちから大人用へいきなり移行してしまうと、身体を消耗してしまう例がジュニア育成プログラム「VAMOS・J(バモスJ)」でも見受けられます。ヨネックスがジュニアスペックのバリエーションを豊富に携える理由は、身体の成長に合わせて選んでほしいから。

そこで、大人用へのステップアップモデルとしてオススメできるのが、26.5インチの『VCORE ELITE (ブイコア エリート)』です。ボックス形状のラケットで確かな技術力を培いたいけれど、27インチモデルはまだ使いづらいニーズにマッチします。

あるいは身長は高いから27インチモデルでもいいけれど、女子で筋力に不安があり、ラケットにパワーアシストを求めたいなら250 グラムの『EZONE FEEL(イーゾーン フィール)』もオススメです。厚めのラウンド形状でパンチ力があるから、まさに打ってつけといえるでしょう。

VCORE ELITE

EZONE FEEL

中学・高校でテニスに励む部活生

これからテニスを始める中学生なら、楽にボールを飛ばせる『EZONE』のなかでも、軽い『EZONE 100 L』がよいでしょう。厚めのフレームでパワーをラケットに補わせ、なおかつ軽量スペックで取り回しも軽快です。ストリングは、柔軟性と反発性に優れるナイロンマルチの『REXIS (レクシス)』シリーズなどをチョイスしてみてはいかがでしょうか。

ボックス形状から選ぶのであれば、270グラムの 『VCORE GAME(ブイコア ゲーム)』がオススメです。ラウンド形状に比べて比較的空気抵抗を受けるので、振り抜くのは厳しいかもしれませんが、軽さのアドバンテージで操作性を担保します。

高校生でハードに部活に取り組むなら『VCORE 100』あるいは『VCORE 100 L』のどちらか。シャフトの長さはいずれも同じなので、あとは体力、体格に応じて重さを選び分けるようにしてください。

EZONE 100 L

VCORE GAME

VCORE 100

VCORE 100 L

上級へレベルアップしたい、男性中上級プレーヤー

中上級者には、パワー重視であればラウンド形状の『EZONE 98』、スピン性能重視であればボックス形状の 『VCORE 98』をオススメします。特にストローク力を強化したいニーズには、どちらも98平方インチでシャフトが長くなることを理解したうえで選ぶなら最適です。

ちなみに、男性=『VCORE』、女性=『EZONE』というわけではありません。『VCORE』は、ボックス形状でありながら、昔のラケットに比べて軽くスイングできるように設計されていますし、一方の『EZONE』は厚ラケでありながら、打ち応えをしっかりさせています。よりご自身のプレースタイルや好みに合うほうをお選びください。

EZONE 98

VCORE 98

アマチュア大会にバリバリ参加しているママさんプレーヤー

40〜50代のママさんプレーヤーがプレーするのは、主にダブルスでしょう。ネットプレーで主導権を掌握したければ 、『EZONE』から待望のニュースペック『105』がオススメです。短めのシャフトでハンドリングに優れ、なおかつ大きめの面で的確にボールを捉えます。

あるいは伊達公子と共同開発した『ASTREL(アストレル)』は、彼女と同世代を含む幅広いベテラン層に向けてヨネックスが提案する、「飛び」「軽さ」「柔らかさ」の3つの性能でテニスの楽しさを引き出すシリーズ。『100』『105』『115』のフェイスサイズがあり、年齢や筋力に応じて最適なスペックを求めることができます。

EZONE 105

ASTREL 100

ASTREL 105

ASTREL 115

 

どう思いますか?

0

0

0

0

0

0

吉田正広
2021.05.14 17:00 投稿者:
吉田正広
テニスメディアを中心にギア系の記事を寄稿。書籍、ムック、雑誌、ウェブサイト等の実用コンテンツを手掛ける。メンタル、フィジカル、栄養学、健康医学、リスクマネジメント、仏教等にも親しむ。一般プレーヤーの質問、相談、悩みにも応える。 【編集協力】『泣き笑い! アスリート図鑑』(池田書店)、『在宅避難で役立つ食まわりの知恵から日ごろの備えまで クックパッド防災レシピBOOK』(扶桑社)、『元機動戦術部隊員に学ぶ危機管理トレーニング2』(ベースボール・マガジン社)、『伸びるテープと伸びないテープを使った 最新スポーツテーピング』(マイナビ)、『スポーツのための体幹トレーニング練習メニュー240』(池田書店)、『徹底図解 成果が必ず出る! ビジネス整理術』(日本文芸社)、『バイシクルライディングブック』(ベースボール・マガジン社)、『テニスワンポイントレッスン500』(学研プラス)、『NHK科学大好き土よう塾〈1〉ものごとの不思議とことん解明!』(汐文社)、『1日10分〈クイック→スロー〉で自在に肉体改造 体脂肪が落ちるトレーニング』(高橋書店)

» さらに読み込む 吉田正広