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発売開始後3日で完売!一人練習用マシン『スリンガーバッグ』の快進撃が止まらない

2020.09.11|17:00|投稿者: 岡田洋介
発売開始後3日で完売!一人練習用マシン『スリンガーバッグ』の快進撃が止まらない

7月下旬の発売開始以降、初回入荷分はわずか3日で完売し、その後の第2回入荷分、さらに9月発売予定の第3回入荷分も予約開始後数日で売り切れた。まるで相手と打ち合っているかのような打球感、キャリーケースのように持ち運べる携帯性、そして本体価格7万7000円という低価格……。グローブライド株式会社スポーツ営業部の相馬安紀氏(以下、相馬氏)に、巷で話題の一人練習用マシン『スリンガーバッグ』(https://slingerbag.jp/)発売までの裏話を聞いた。

テニスをしたくても相手がいない、という悩みを解消できる

相馬氏

「テニスをやろう、という話になっても、レベルが合わないとお互いに面白くありません。でも、このマシンは初心者向けのやさしい球や上級者向けのスピンの効いたボールなど、使う人のレベルに合わせて球出しが可能です」(相馬氏)

2年前のある日、スポーツ用品メーカーのグローブライドで企画を担当する相馬氏のもとに1本のビデオが送られてきた。画面に映し出された映像を見た相馬氏は衝撃を受けたという。それは、テニスコートで一人のプレーヤーが小型の球出しマシンを相手に黙々と練習をする姿だった。

「これ、すごく面白い!と思いました。球出しマシンはこれまでにもありましたが、どれもテニスクラブやスクールなどの施設用に作られたものですから、価格は30万円とか50万円とかする高額なもので、どれも大型でした。ところが、映像に映っていた球出しマシンはキャリーケースのように持ち運びできる小型サイズで、バッテリー式なので電源コードもありません。価格もラケット2本分程度の予定だという。即座に食いつきました」(相馬氏)

このビデオの送り主は、マイク・バラディーという英国人だった。彼はプロテニスプレーヤーを引退後に米国のウイルソン社やプリンス社で要職を務め、後にこの画期的な一人練習用マシン『スリンガーバッグ』を世に売り出すスリンガーバッグ社のCEOに就任する人物である。このマシンを日本向けに販売するための準備段階として、日本での代理店を探していたバラディー氏は、相馬氏の勤めるグローブライドを含むテニス用品メーカーなど数社に打診をしたのだった。

長年日本のテニス業界に携わり、テニスプレーヤーの実態をよく知る相馬氏は、この一人練習用マシンの魅力を次のように語っている。

「テニスをやるには練習仲間が必要です。でも、一緒にテニスをやろう、という話になっても、初心者から上級者までレベルがありますから、レベルが合わないとお互いに面白くないものです。また、転勤や進学、結婚などで引っ越ししたらテニスをする相手がいなくなってしまった、という話もよく聞きます。テニスをしたくても相手がいない人たち、また自分自身で練習して上達したいという向上心のある人たちのニーズを、このスリンガーバッグは満たしてくれます」(相馬氏)

今年3月に日本テニス協会が出した「テニス環境等実態調査報告書(令和元年度)」によると、日本のテニス人口は2018年時点で推計343万人。2012年度調査時の推計373万人から30万人減り、緩やかな減少傾向にあるという。

「全世界のテニス人口は約1億人いるといわれていますが、やはりちょっとずつ減ってきていて、どこの国でもテニスをやめる理由の4割は、相手が見つからないから、というものらしい。テニス人口の減少を少しでも緩和したいというのも、スリンガーバッグの開発コンセプトの一つということです」(相馬氏)

実戦並みのボールが出るのでプロの選手でも練習になる

スリンガーバッグ

本体上部にラケットやシューズなどを収納するスペースがあり、取っ手を引き出せばキャリーケースのように持ち運べる構造になっている

スリンガーバッグはパーソナルユースを目的とした球出しマシンとして、必要十分な性能を備えている。ボールのスピード(時速16キロ〜73キロ)や排出角度(10〜40度)、供給間隔(2〜10秒)はダイヤルで自由に調節でき、使う人の技術レベルに応じたボールを出してくれる。また付属のリモコンでオン・オフを遠隔操作でき、150球近いボールを連続して出せるので、途中で中断することなく集中して練習に取り組める。

最高時速73キロと聞くと、上級者にはもの足りないと思うかもしれない。しかし、スピードを高速に設定するほど強烈なトップスピン回転のかかったボールとなるため、バウンドしてグンと跳ね上がり、まさにトーナメントレベルのプレーヤーが放つ"生きた球"に近い打球感覚でヒッティング練習ができる。また、排出角度を変えることで、ボレーやスマッシュもより実戦に近い打球感覚での練習が可能になる。

「私も初めてデモ機で打ってみたとき、あまりにも弾んでから伸びて速いボールなので1球目は振り遅れました。人のボール出しでは不可能な本当に実戦並みのボールが出ますから、これならプロの選手でも十分に練習になります」(相馬氏)

これだけ高性能な球出しマシンを簡単に持ち運びできる点も、スリンガーバッグの魅力の一つだ。ボールや備品を取り除いた状態で本体重量は15kgあるが、下部に車輪が取り付けられているので、キャリーケースのように引っ張れば女性やジュニアでも楽に運べる。また、ハンドル収納時の本体寸法は高さ85cm、幅38cm、奥行き52cmというサイズで、これは一般的な自家用車のトランクに入る大きさだ。

「駅の階段を持ち運ぶのはちょっと厳しいかもしれませんが、通路を転がすだけなら街中もいけます。本体上部にはラケットやシューズ、タオルなどを収納するスペースがあります。また、ボールは最大約144球収納できるので、コートにこれ1台持ち運べばすぐに練習できます。バッテリーは交換式で、フル充電しておけば最大約5時間使えますし、本体にはUSBコネクタがありますから、練習中にスマホを充電しておくこともできます」(相馬氏)

コロナ問題で一人練習用マシンが注目されている!?

相馬氏

「国内には月1以上プレーする人が130万人いるといわれています。そのうちの2.5%の方にスリンガーバッグを使ってもらえれば、と思っています。これは私のすごくポジティブな目標です」(相馬氏)

この画期的な一人練習用マシンの日本における代理店になるべく手を挙げた相馬氏は、その後、スリンガーバッグ社からの依頼で日本国内のさまざまなテニス施設を回って、テニス選手やコーチ、ジュニア選手の親などにヒアリングを実施した。

「スリンガーバッグのデモ機を持って行って、実際に使っているところを見せてから次の二つの質問をしました。一つは、値段はいくらくらいだと思いますか。もう一つは、いくらだったら買いますか、です。やはり多くの人はこういうマシンは高額なものだと思っているので、いくらくらいか、という質問に対しては20万円、30万円などの回答が多かったです。また、いくらだったら買いますか、という質問には10万円、15万円などと答えていました。ラケット2本分くらいの値段で販売する予定です、と皆さんに話すと、すぐに買いたいと言う人がたくさんいました」(相馬氏)

2020年春、グローブライドは日本におけるスリンガーバッグの代理店として正式にスリンガーバッグ社と契約を結んだ。相馬氏があのデモ機の映像ビデオを初めて見てから2年近く経過していた。そして、7月21日に、本体価格7万7000円(税込)という驚異的な価格設定でスリンガーバッグの発売が開始されると、わずか3日で初回入荷分(200台弱)が完売した。

「我々としては、7月に70台くらい売って、8月に最初の入荷分を売り切れればいいなと思っていたんですけど、予想をはるかに超えていました。本来は今年の3月には世界でこのスリンガーバッグを発売するスケジュールで動いていたのですが、新型コロナウイルスの影響で予定が遅れました。でも、もしかしたらコロナ問題があったから一人練習用マシンが注目されている、という面もあるのかもしれません」(相馬氏)

テニス仲間で集まって練習したりゲームをしたり、ライバルと対戦して腕を磨く……。1球のボールを介して相手と関わり合うのがテニス本来の醍醐味であることには変わりはない。でも、練習相手が見つからないとき、一人でじっくりと練習課題に取り組みたいとき、突然テニスをしたくなったときには、マシン相手に自主練する、という新たなテニススタイルがあってもいい。スリンガーバッグは、まさに今の時代が求めるマシンなのだ。

現役時代にスリンガーバッグがあったらめちゃくちゃいい練習ができたと思う(山本育史プロ)

「このスリンガーバッグの良さは、すごく実戦的なボールが出てくる点です。従来のエアー(空気圧)で飛ばす球出しマシンはバウンド後にボールが失速しやすいんですね。それがこのマシンだとスピンボールが失速せずに飛んでくるので、実際にラリーしている感覚で打てるのが強みだと思います。

もし、私の現役時代にこのスリンガーバッグがあったとしたら、相手コートのベースラインにこのマシンを置いて、ボールの供給間隔をラリーしている時のテンポに合わせて、首振りボード(オプション品)を使ってランダムな方向に出して練習してみたいですね。専用のトリニティーボールを使えば飛距離のバラツキがありませんから、ボールが飛び出した瞬間に飛んでくるボールの軌道や落ちる場所を予測して動く練習にもなります。めちゃくちゃいい練習ができたと思います」

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「ラリーに近いボールが飛んでくるので、すごく実戦的な練習ができます」(山本育史プロ)

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岡田洋介
2020.09.11 17:00 投稿者:
岡田洋介
1968年、群馬県生まれ。出版社でスポーツ誌の編集職を経て独立。 スポーツライターとしてテニスのグランドスラム大会等の取材活動を行うほか、ゴルフ誌やランニング誌等に寄稿する。 2005年にテニスレッスン専門の動画配信サイト『テニスストリームTV(www.tennisstream.tv)』を立ち上げ、 テニス愛好者に役立つ上達情報を配信している。趣味の百名山登山は現在20座制覇! 【編集協力】『配球とコンビネーションで勝つテニスダブルス』(学研プラス)、『白木式コアトレ ベーシックメソッド』(学研プラス)

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